“マルチタスク” とは
同時に複数の仕事を行うこと、能力を表す言葉です。
物流に関わる作業は、どちらかというと単純作業“シングルタスク”で考えます。
荷物をパレットに積むロボット(パレタイザ)ずっと、荷物が来る限り、積み付け作業を続けます。
人が積むより早いスピードで、疲れることなく作業してくれます。時間で処理できる量を見込めるため、安定的な物流アイテムとして、多くの場所で使われています。
目次
■物流における人間の優位性とは
物流の現場では、やはりロボットなどの機械が優秀で、遅く、疲れ、文句を言う人間は、劣勢なのでしょうか?
物流における人間の優位
①ちょっとした違いを見つける
何かおかしい?いつもと違う。なんとなく違う。など、機械で判別するには非常に繊細高度な検査事項を作業をしながら瞬時に察知出来る。
②不安定を安定的にまとめる
ちょっと不安定な荷物の積重ねやちょっとした凹凸間のはめ込みなど微調整を有する作業をいとも簡単に行う。
③状況から優先順位を決める
機械なら止まってしまうような、ちょっとしたエラーもサッと避けて、とりあえずスムーズに流し状況に応じたエラー回復を模索する。
④予測、想定して作業を行う
このあとこのぐらい流れるだろう。こういう予定になるだろう。から、先回りして計画を立てることができる。
⑤その他
このあとデートだから・・・、夕飯の献立は何にしようかしら・・・と考えながら作業ができる。
■手動設備と自動設備
全ての作業を自動化することは、生産効率としては、最も良いと考えられます。
- 人件費が抑えられます。
- 品質が安定します。
- 見込み物量を安定して作り、運びます。
しかし、全ての製品が全自動から生産さている訳ではありません。実情は、その逆で完全自動化されているラインとは、
- 原料や原料に近い状態の商材
- 単品種・大量生産の商材
- 高付加価値品質重視の商材
などに限られます。
全自動化されない理由としては、
- 部分的に機械化するにあたり難易度が、高く人の力に頼らざる得ない場合
- 自然の物などバラつきが多く対応しきれない場合
- 自動化してもPAYしきれないぐらい薄利な商材の場合などです。
設備の横に人が配置され、機械の不得意なことを人が補うことによって、最も効率が良い関係を保つことが出来ます。
半自動(セミオートメーション)は、マルチタスクな人間がシングルタスクな機械を保管しながら共存することで、現状に見合った高い効率を得ていると考えられます。
導入事例①:https://raku-logi.com/2018/05/648
導入事例②:https://raku-logi.com/2018/05/658
完全な自動化設備の逆は、完全な手動設備です。
自動化設備や半自動設備は多額の設備投資をして、生産性を上げた結果だと考えますが、手動設備は、人手作業を軽減する目的で設置され、高い計画性をもって設置されていないケースが多い。
よって、自動化設備に比べ、作業効率や設置効果の実証が十分になされていない場合がある。
本書で注視を促すような項目をもう一度見直してみると、ちょっとした位置の移動や設備追加で大幅な改善が期待できる場合も多い。
手動設備の改善は、機器単価も安い場合が多いので、物流改善のメスを入れるにあたっては、最重点・最有力候補である。