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目次
AGV・AMR導入の障壁(つづき)
キャスターやアームの問題だけでなく、他にも障壁は存在します。
例えば、同じようで微妙に違う台車が複数存在するためにAGV・AMRに上手く取り付けられないことがあります。
また、固定輪台車でもAGV・AMRによる牽引が難しい台車があります。
同じようで微妙に違う現場の台車
台車が作られた時代や製造ロットにより改善を加えていたり、また製造方法や地域にも仕上がりに差異があったりと、同じ台車に見えても微妙なバラツキが存在しています。
【よくある違い】
・溶接の個所が違う
・パイプ格子の数が違う
・部品の取付方法や方向が違う
・キャスターメーカーが違う
・フレーム高さが数mm違う
AGV・AMRと台車を連結する部分を設計・製作する際には、複数台の台車を調査・採寸することをお勧めしています。
6輪天秤台車(スリムカート)の難しさ
天秤台車は中央に固定輪が付いている6輪の固定輪台車です。前後のキャスターより中央の固定輪が床に深くあたるように工夫され、前後どちらかのキャスターしか床に接触しません。
これにより、固定輪を中心に回転旋回することができる便利な台車です。
走行中はその名前の通り天板の両端が天秤のように上下に揺れます。
この上下に揺れる動きや力に馴染みながら自動搬送することは非常に難しく、天板を固定したり連結する必要がありますが、ガッチリ固定してしまうとAGVに大きな負荷を与え故障の原因となります。
AGV・AMR選定の際は天板の上下動作にも留意する必要があります。
その他に考慮すべきこと
コースの段差や傾斜
AGV・AMRと台車を固定アームで連結してしまうと、下の図のように傾斜の影響を受けてしまいます。段差でも同様のことが起きてしまうでしょう。
アームには、床の状態に合わせて変化する柔軟性が必要です。
AGV・AMRのトータル搬送能力
走っている時間だけでAGV・AMRの処理(搬送)能力は算出できません。
- 取付け
- 搬送
- 取外し
- 荷を取りに戻る移動
- 充電
- 操作
これら全てのスピードをトータルで考慮したもがAGV・AMRの搬送能力です。
特に台車の取付けと取外しは搬送の度に発生するため、そのスピードが効率に大きく影響します。
次回は、AGV・AMR導入において考慮すべきことをまとめ、モノリクスが提供できる解決策についてお話します。