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全自在輪台車と固定輪台車
全自在輪台車は全てのキャスターが自在輪なので、どちらの方向にも自由に動くことができ、その場でグルグル回ることも、斜めに進むこともできます。微細に見ると動き始めに規制はありますが、基本的には自由な方向に動かすことのできる台車です。
一方で、複数の自在輪キャスターの中に固定輪が1つ以上ある台車が固定輪台車です。
これらの台車は固定輪を中心にその場回転ができます。また固定輪の回転方向に動きが制限されることで、台車の進行方向を決めることができます。一般的に固定輪を複数個配置する場合は、キャスターの軸が合うように隣り合って配置します。複数の固定輪の軸位置がずれる程、直進性が増します。
現場により様々な台車が運用されています。同じようなカゴ台車を配備している現場でも、それぞれの使い方によって全自在輪台車で使用する場合と固定輪台車で使用する場合があり、現場での用途を良く把握する必要があります。
以下の環境がそれぞれの特性に合っていますが、実際には出荷先の制約条件等で変わったり業界の慣習で決まっている場合も多いです。
【全自在輪台車】
・移動距離が短く、小回りが必要
・狭い所に押し込むような動きがある(縦列駐車)
・積載荷物が軽い
・台車を折り畳むなど固定輪が使えない
【固定輪台車】
・直線的な動きで移動が長い
・積載重量が大きい
<実験>紐で引っ張ってみると
全自在輪台車を紐でひっぱると、直線でも台車は左右にふらつきカーブでは遠心力で外回りし、一度軌道をそれるともう戻れません。
一方後ろの二つのキャスターが固定輪の台車は、直線では安定して引っ張る人に追従しカーブは台車が内側に入りますが、再び直線コースになれば元の起動に戻り追従します。
このようなことから、固定輪が重要な役目を果たしていることがわかります。
<実験>アームで引っ張る
台車に棒のアームをつけて引っ張ってみるとどうでしょうか。全自在輪台車では、左右に振られる台車に対して作業者が常に踏ん張って軌道を修正しなければ、思うように進むことができません。
また固定輪台車では、紐で引っ張った場合と同様に曲がる際にはカーブ内側に台車が入りますが、直線になると元の軌道に戻ります。
今度は、固定輪の位置を変えて実験してみましょう。