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今回は物流業界ではおなじみのパレットチェンジャーについて解説してまいります。
目次
■パレットに載った製品を荷受する:パレットチェンジャー
外から入ってきたパレットを工場内部に入れるには、抵抗感があります。
外から入ってくるパレットを場内に入れることは、非常にリスクの高いことです。
パレットに付着した汚れや虫(ハザード)を取り込むことに繋がる恐れがあります。
異物混入は、食品や医薬品業界だけでなく、多くの業界の非常に高い関心事です。
中でも、粉塵や虫(害虫)など屋外からの侵入は、外に近い場所でシャットアウトしたいものです。
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異物混入は、製造業の生命線です。このニーズは強くなる傾向にあります。
■製品を工場内でパレットに積みつけ保管する
工場内での運用は、自動倉庫に入れるなどするため高級なパレットに載せて保管しますが、出荷後にパレットが返却されないおそれがある為、出荷するパレットを安価なものに替えて出荷したい。
屋内(構内)用の循環パレットと出荷用のONE WAYパレットを入れ替えることは、大きなコストダウンにつながります。
【パレットを入れ替える需要】
- パレットに着いた汚れを構内に入れたくない。(HACCP、コンタミ、異物混入など)
- 出荷後の流通はONEWAY化したい。
- 工場内では、品質の高いパレットで安心して運用したい。
そこには、パレットを入れ替える需要が発生します。
【パレットを入れ替える作業】
パレットの上に載った製品。例えば、ダンボール箱50個が載ったパレット。1箱20kg×50箱で1トン。パレットには、1トン近い重量が掛かっています。これを別のパレットに積み替える作業。かなり重労働ですね。一つづつ人手で積み替えるとしたら、気が遠くなる作業です。
■パレットチェンジャーについて
元パレットから荷物を分離し、別パレットに載せ替える機械をパレットチェンジャーと言います。
自動、半自動、手動を含め、パレットのチェンジを目的とした機械です。
【パレットチェンジャーの構造】
パレットチェンジャーには、色々な方法があります。
- 反転型:180度反転し、パレットを入れ替え、元に戻す または、入替えパレットを天面に載せて反転させる。
- 傾斜タイプ:反転角度を90~100度程度傾けパレットへ掛かる荷重が無くなったところでパレットを入れ替える。
- クランプタイプ:パレット上荷物を2方または4方からクランプし、パレットを少し下げて浮かせ、パレットを入れ替える。
- デパレ・パレ:デパレタイザで荷物をデパレし、その後パレタイザで入替えパレットに積み付ける。
デパレ・パレの組み合わせ装置ですが、これもパレットチェンジャーの仲間です。 - フォークリフトのアタッチメント:フォークリフトの回転クランプフォークを使って、反転を行いパレットチェンジすることがあります。
- 人手サポート設備: レベラーによりパレット上荷物の高さを一定に保つ補助装置バランサーによる人手作業の重量軽減装置の導入
【パレットチェンジャーの難しさ】
パレットチャンジャーには、これが最終形と言えるほど確立した万能装置がありません。
その理由は、入れ替える荷物により、条件が全く違うことにあります。
- クランプ(2方または4方から把持)して維持できる物
- クランプしても傷や凹みがつかない、気にならない。
- 反転可能なもの 傾けても良いもの
- 積載形状として、天地反転して良いもの
- 自動でデパレタイズできるもの
- 安定した荷姿を限定できる
パレットチェンジャーを導入するためには、取り扱い物について、よく仕様(現状把握)をまとめ、標準化(一定化)しメーカーと詳細を詰めた上で、テスト装置を作り検証することが重要です。
初期の費用がかかりますが、初期の段階で満足するスペック・仕様を作り込み、実機投入することで、失敗のない安定したパレットチェンジが実現できると考えます。
■パレットチェンジャー課題とは
上述の通り、パレットチェンジャーは非常に難しく、取り扱うメーカーも限られます。
需要の多いジャンルではありますが、リスクの高い装置である為、各社二の足を踏んでいる状況です。
パレットチェンジャー導入を決意した担当の方は、是非以下の点を重点的に行ってみてください
- 取り扱い物の特徴、仕様をまとめてください。過去BLOG「運ぶものについて、知る。」にまとめています。
- メーカーに詳しく仕様を伝え、テスト機を必ず作る(費用が掛かっても)
- 異物混入やコストダウンの効果をしっかりまとめ、費用対効果や異物リスクを予算に反映させる。
- 初期の費用を低く計画せず、トライ&エラーを繰り返す覚悟を持ってください。
今回はここまで、是非がんばってください。