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「キーコネクト」
2016年 私たちが会社をつくった年、トヨタL&F神奈川(株)の昔からよく知っている方からある相談を受けた。
「キーカートで、台車が牽きたい」という問い合わせだった。
トヨタL&Fが製造・販売しているシンプルAGV キーカートを使って、ある製造メーカーの工場で日頃使っている工場内台車を牽引搬送したいとの事であった。
これまで何度か展示会などで見てはいたが、コンベヤを中心とした自動搬送設備製作出身の私たちには、正直このAGV(キーカート)は馴染みがなかった。
このAGVを使って、工場にあるたくさんの専用台車を作業者が連結し、出荷エリアまで運び、自動的に切離してスタート位置まで戻って来て欲しいというミッションである。
当時ヒット商品を求め、さまようようにオーダーメイド機器を開発・製造していた私たちは、昔からよく知る方からの依頼でもあり、新しい物流搬送機器の匂いに惹かれ、その牽引機器の開発を請けることにした。
現地調査当初、自動で切り離すという機能はあるものの、ただ台車を引っ張るだけだから簡単だろうと思っていた。現に搬送テストをしてみても台車をキーカートで引っ張って、真っ直ぐ進むだけであれは問題なく運用することができた。
ある程度簡単なアームを作って、自動で跳ね上げて取り外すことさえできれば、上手くいくのではないだろうか。試作の構想をその場で思い浮かべながら、現地の調査を終え現場を後にした。
最初のキーコネクト
その工場にある台車は数百台。1台づつ台車にアーム取付けて改造することは現実的はない。
台車を改造せずにワンタッチでキーカートと連結し、ルートのゴールで自動的に切り離す機能を持ったキーカート取付型連結アームの製作というイメージである。
「ワンタッチで取り付ける?」台車をアームに近づけて、素早く簡単に少ない力でアクションを起こし、完了させることか・・・。
「自動で切り離す?」限られたキーカートの動力を使って、後続を走る台車を必要な時に外す。台車は300kgの荷物を積んでおり、押し引きの摩擦力が掛かっていても外れるのだろうか?
また、次のスタート地点でワンタッチ取付状態をスタンバイ出来るのか?
それらを小さなAGVに搭載し、機能させることが出来るのか?
「ワンタッチ」と「微小動力切離し」と 「再スタート」と「小型軽量」が同時に出来る機構とは・・・。
モノリクスは当時3名で会社を始めたばかりだった。営業兼社長の齋藤、設計の大波、経理会計の有元。
機器開発構想はいつも3人で話し合って、議論をして決めた。大波が図面を描き、3人で組み立てた。
仕事の役割はそれぞれ分かれていたが、ハマる仕事は全員でこなすしかなかった。据え付けから不具合対応までみんなでおこなっていた。
3か月後、この製造メーカー工場のお客さま向けの機器は完成した。一品物のオーダーメイド感が多少残る出来ではあったが、ワンタッチで取り付け、自動で切り離れる性能を満たすことは出来た。
お客様やトヨタL&Fの方からも非常に喜ばれ上手くいった。
後々、この機器が最初のキーコネクトとして更なる開発・発展していくとは、この時誰も思ってもいなかった。(つづく)
株式会社モノリクス(所在地:東京都文京区、代表取締役:齋藤紀之)は、現場を楽しく・楽にする物流搬送関連機器を製作する企業として、様々なAGV・AMR(自動搬送車輛)関連機器を開発・販売しております。
AGV牽引用治具 Begin⁺JIGに関するWEBサイト https://www.monolix-agv.com/