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株式会社モノリクス

物流の基本 ベルトコンベヤ

コラム
齋藤紀之(さいとう のりゆき)

齋藤紀之(さいとう のりゆき)

代表取締役社長 兼 物流機械アドバイザー
特技:レゴブロックとパワポを使ったアイデア機械の構想
趣味:剣道(息子と毎週通っています)

ベルトコンベヤ

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今回はベルトコンベヤの世界を解説!

 

目次

■ベルトコンベヤとは

 

ベルトコンベヤ(Conveyor belt, Belt conveyor)とは、輪状にした幅広のベルトを構造の上で回転させ、その上に運搬物を載せて移動させる装置。ベルトの材質はゴムが主流であるが、運搬するものによって樹脂製、フェルト製などもある。

 

【ベルトコンベヤを使う利点】

 

コンベヤの中でも幅広い用途で使われるベルトコンベヤ。色々な利点があります。

●搬送面が連続である。
ベルトの上で進む為、搬送物は基本的にベルトの上をズレることがなく、接触面が一定である。よって、搬送物の形状に左右されず、安定的な搬送が可能である。

 

●構図が単純である。
ベルトをグルグル回転させているだけなので、難しい構造、仕組みが不要である。

●耐久性が良い
ベルトと搬送物の間に滑りがほとんど無いため、ベルト搬送面の摩耗が少ない。ただし、乗り移りに滑りなどが出る場合など、摩耗損傷が激しくなる場合がある。

●環境適応させやすい
ベルトの材質や滑りやすさ、洗浄性などを考慮することで、耐環境性を上げることができる。また、ベルトの種類が近年多くなったこともあり、食品業界などでもベルトコンベヤの使用が一般的になっている。

●単位長あたりの値段が安い
ベルトとフレームの長さを長くすることで、部品点数を増やすことなく搬送距離を長く出来るため、単位長さあたりの値段を安く抑えることができる。

 

■ベルトコンベヤの用途とは

 

土や砂利を運ぶ通称「ドシャコン」:イメージとして、トンネル工事や採掘場から掘り出した土などをトラックまで運ぶコンベヤなどで、坂道になったベルトの上を土が運ばれる映像は、どこかで見たことがあると思います。

 

食品を製造している工場で、沢山の食べ物が整列して運ばれるイメージ。一定間隔に整列した作り途中の食べ物を機械で潰したり、ひっくり返したりするシーンを大人の工場見学特集映像などで見たことはないでしょうか。

沢山のダンボール品が仕分けされる宅配サービスの大きなセンターの機械。グルグルっと沢山のコンベヤがアッチコッチに荷物を運んでいきます。あの運んでいるコンベヤの大半がベルトコンベヤです。

 

空港で旅行する時、大きな荷物をカウンターで預けますね。係りの人がシールを貼って、荷物とは一時オサラバ。あの時、荷物は黒色のベルトの上を流れて奥の方に入っていきます。あれがベルトコンベヤです。

動く歩道。平らなエスカレータみたいなあの機械。歩かなくても直線の道を進んでくれるので楽ですね。あれも人を運ぶ特殊なベルトコンベヤです。人を運ぶベルトコンベヤ。荷物を運ぶベルトコンベヤ。楽ですね。

 

【ベルトの種類】

 

中寄コンベヤベルト
ラフトップ/Mトップコンベヤベルト
スライダーベルト
バケットコンベヤベルト
平ベルト
段付ベルト

 

【ローラコンベヤとの違い】

 

利点でも出てきましたが、ベルトコンベヤの特徴の一つに搬送面が連続であることが挙げられます。
ローラコンベヤでなるべく凸凹なく搬送しようと思ったら、ローラのピッチ(ローラとローラーの隙間)を小さくする必要があります。極限まで小さくするためには、ローラの径を小さくしないと間が詰まっていきません。ということは、ローラの本数が非常にたくさん必要になるということです。ローラ本数×ピッチ=搬送距離。よって搬送距離に比例して値段が上がっていきます。それに比べて、単位長さあたりのベルト単価が安価なベルトが2倍、3倍になっても全体のコンベヤ値段の上昇率が小さいベルトコンベヤは、単位長さあたりの値段が安いことになります。
また、運ぶものの底面の形に左右されないコンベヤであるベルトコンベヤは、多種多様なものを運ぶ近年においても
ローラコンベヤより優位です。

 

■ベルトコンベヤの弱点

 

ベルトコンベヤは、ベルトをグルグル回してものを運ぶ機械です。両端のプーリーがモータの力で回されることで、ベルトに力を伝え、回っています。ベルトとプーリーがチョッと斜めになったり、ベルトに癖がつくと、ベルトがプーリーの中心からズレてしまい、コンベヤ構造上をフラフラとベルトが回る「蛇行」と言う現象が起こります。

ベルトの蛇行は、コンベヤの不具合のトップです。一般的には調整やベルトの交換で治すことができますが、蛇行調整には、熟練の技が必要になります。ベルトコンベヤの弱点は、構造が簡単である利点と裏腹に、調整が難しいと言う弱点を併せ持っています。

ちなみに、ベルトが蛇行すると、ベルトの端とコンベヤフレームが接触して、ベルトが破損したり、ベルトが回転しなくなってしまいます。致命的な不具合に発展するので、蛇行調整はベルトコンベヤにとって非常に重要なメンテナンス項目です。

 

【ベルトコンベヤの古今】

 

昔からベルトコンベヤは、上述のように土砂や石炭など「ガサもの」を運ぶことで発展してきました。
近年では、ベルトの素材開発も進み、色々なジャンル、業界で搬送ベルトとして使用されています。
また、ゴムやウレタンのベルトだけでなく、樹脂成形品を組み合わせてベルト状にしたプラベルトコンベヤ(モジュラーベルトコンベヤ)なども近年の主流ベルトコンベヤの一つです。
幅広い用途に使われるベルトコンベヤに対応するために、様々な素材、形状、仕組みのコンベヤが誕生しています。

 

【ベルトコンベヤの構造】

 

基本構造として、全体の骨格を形成するフレーム
前後のプーリー
メインの搬送ベルト
プーリーを回転させるモータ
ベルトの張りを調整するテンションプーリー     が主な構造です。

 

ベルトの蛇行防止のために、ベルトの裏にガイドベルト(サン)を付けた:サン付きベルトやプーリーの真ん中を太らせ太鼓型にしたクラウンプーリーなどを使用します。

 

■ベルトコンベヤを使ってコンベヤラインを計画

 

ベルトコンベヤの上に荷物を載せて、スイッチを押します。コンベヤがグルグル回り荷物が運ばれます。
行った先で、誰かが荷物を取り出してくれれば問題ないんですが、ベルトコンベヤの終点を通り過ぎて落としてしまう。先端のストッパーにぶつかって、次の荷物も重なり、大混乱。なんてことも起こります。
これは、ベルトコンベヤが単純に回っているからです。スイッチを入れると回転し、スイッチを切ると止まる。都度スイッチを入り切りしなければ、荷物を安全に運ぶことが出来ません。

このようにコンベヤ、特に滑りが少ないベルトコンベヤは、荷物のスタート、ゴールに合わせてスイッチを入り切りする機能「制御」が必要です。コンベヤラインを構築する場合、投入した荷物が、ぶつかることなく、破損することなく、落とすことなくゴールまで運ばれ、他の荷物と干渉しないように順番を待つことが出来る機能が必要です。

一般的には、コンベヤの機械設計、制御設計を介しコンベヤラインの計画を立てます。
大掛かりな設備計画であればもちろん必要なメンバーですが、小規模の物流改善には、設計を掛けて、電気制御を組んでシステム化する、お金や時間がありません。

 

弊社事例で簡単に安く導入できるシステムの紹介をしています。是非、ご一読ください。

 

URL:https://raku-logi.com/2018/04/360

 

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