物を連続的に一定の距離のみ運搬・搬送する装置。自動(駆動)コンベヤと駆動の無いフリーコンベヤがある。
目次
■コンベアの主な種類
①ローラコンベヤ
連続したローラ上を搬送するコンベヤ
②ベルトコンベヤ
ベルトを無限ループ状にした上を搬送するコンベヤ。前後のプーリーで駆動する
③スラットコンベヤ
両側のチェンに鉄板棒状の搬送面を固定し、荷物の接触面を増やすことで安定搬送する
④チェンコンベヤ
2本及び複数のチェンを駆動し、その上を搬送するコンベヤ
⑤スパイラルコンベヤ
流体、粒体用コンベヤ スパイラルを回転させることにより進行搬送させるコンベヤ
⑥シートコンベヤ
ベルトコンベヤよりも幅広の樹脂シートをループ状にしたコンベヤ
■コンベアの用途と選定について
コンベヤの用途は、荷物を連続的に運ぶことである。荷物とは、箱や袋、板や棒、液体や粒体など様々です。コンベヤの選定は、環境、搬送物の特徴、運ぶ方向によって選定する。
環境とは、設置場所が屋外か屋内か。屋外でも屋根があるか、雨ざらしか、など。また、温度、湿度、風圧から空気中の塵の量(クリーン度)や爆発性の有無(防爆性)なども考えられる。
搬送物の特徴とは、重さ、長さ、バランスの良さ、搬送面形状、硬さや壊れやすさなどがある。
運ぶ方向とは、水平に運ぶ、垂直に運ぶ、傾斜、カーブ、回転、方向転換など用途と非常に密接である。
それ以外に技術的な事から外れるかもしれないが、価格や業界の慣例、習慣で選択する場合も多い。
ここでは、一般物流をベースにして考えるためローラコンベヤ、チェンコンベヤ、ベルトコンベヤについて考える事にする。
【ローラコンベヤ】
ローラコンベヤは、連続したローラを配置し、そのローラの上を転がることにより搬送摩擦を少なくし、小さい動力で重たいものを運ぶことができる。ローラに動力を与える駆動ローラと傾斜や勢いで運ぶフリーローラーコンベヤがある。
ローラの径とピッチ(ローラ⇔ローラの間隔)を荷物の底面形状より考え、なるべく少ない本数のローラで運ぶほうが経済的である。一般的に搬送物の搬送方向長さの1/4に1本の割合で配置する。
ローラの駆動方法はチェン、丸ベルト、タイミングベルト、Vベルトなどがあります。
ローラコンベヤにて搬送する主なものにダンボールケースやプラスチックケースが挙げられます。
【チェンコンベヤ】
主にパレットを運ぶためのコンベヤ チェンを無限ループ状に継なぎ、そのチェンの上に置かれた荷物を搬送します。両端にスプロケットを配置し、スプロケット間にはチェンガイド(樹脂や鉄のレール)を配置します。
チェンは主に、搬送チェンという搬送用の物が使われる。チェンリンクの側面形状が小判の形をしているので、小判型チェンとも呼ばれる。チェン上に載った製品(パレット)にチェンの油が付着することを避ける場合、無給油チェンなどが使用される。
チェンコンベヤのフレームには、SS(鉄鋼)を曲げた物 、アルミニウムの型抜き材などが使用される。
【ベルトコンベヤ】
ベルトを無限ループ状にし、前後にプーリーを配置して、そのプーリーの駆動力でベルトを送り荷物をを搬送するコンベヤです。前後プーリー間のベルトを受ける部分をトラフといい、鉄板を使用したり、ローラーを定間隔で配置します。ベルトコンベヤの特徴は、ベルトを長くする(機長を長く)ことで単位長さあたりの単価がローラコンベヤに比べて安いことが挙げられる。
それ以外にも、ローラでは運べない底面形状条件の悪いものの搬送や連続したベルト上を運ぶので製品に対するダメージが小さくなることが考えられる。
ベルトの種類は、天然ゴムやニトリルゴムなどさまざまな種類があり、また、表面の形状によりグリップ力を増したものなどがある。ベルトと製品の間には大きな摩擦が期待できるため、傾斜コンベヤとして使われることも多い。また、ローラコンベヤ上の製品が渋滞して、押せ押せ状態になった場合の間隔を空けるコンベヤ(定間コンベヤ)としても多く使われる。
コンベヤは物流において基本的な構成要素です。物流を学ぶにあたって、非常に多くの知識の基本となります。機会を見て、別のコラムに今後も別途載せていこうと思います。 本日ここまで・・・