パレットに荷物を積むことを「パレタイズ」といいます。それを積み付ける機械装置を「パレタイザ」と呼びます。
パレットに荷物を積む反対、パレットから荷物を降ろす(バラス)ことを「デパレタイズ」と言いその装置を「デパレタイザ」と言います。
パレタイザには、ロボットを使ったロボットパレタイザと機械装置(主にコンベヤやターン装置、リフター)を使った機械式パレタイザの2種類に分かれます。
ちなみに「パレタイズ」を大別すると
- 人間パレ(人手で積む)
- バランサーパレ(軽量装置で積む)
- パレタイザ(自動化装置で積む) の3種類になります。
目次
■ロボットパレタイザと機械式パレタイザの違い
ロボットで積み付けるパレタイザと機械装置で積み付けるパレタイザ。方法は違いますが、何が結果や効果として違うのでしょうか。
【違い① その生い立ち・・・】
機械式パレタイザは、1960年代には登場しており、セメントの袋、米・小麦粉・砂糖の袋、肥料や土の袋の積み付け装置として発展していきました。人手で積んでいる時代に自動で重たい袋を積んでくれる装置として爆発的に日本国内から海外まで作られました。そののち、ダンボール箱を積み付けるパレタイザが誕生し、飲料を始め食品の大量生産に代表される日本の発展に大きく寄与しました。
ロボット式パレタイザは、1960年代後半から急速に技術が進歩するロボット業界より現れた新参者です。
袋や箱を積む方法が人間の動作のように掴んで、持ち上げ、積み付けることより、省スペース化が可能なり機械式の牙城を食い尽くすことになっていきます。
現在は、一般的にパレタイザの大半をロボットパレタイザ市場が占めていますが、機械式パレタイザも根強い用途で一部業界の絶対条件となっています。
【違い② 設置スペース】
ロボットパレタイザは、ロボットの可動範囲内であれば比較的自由な配置を可能としています。荷物を掴む部分とロボットとパレット位置が自由に決められることで、建屋に対する設置条件を優位にすることが出来ます。
機械式パレタイザは、ある決められた配置方向とスペースを必要とするため、自由度が少なく設置スペースとしてロボットに比べ大掛かりになります。
【違い③ 機械処理能力】
機械式パレタイザとロボット式パレタイザを比較したとき、処理能力が高い方は、機械式パレタイザです。
コンベヤから流れてくる荷物を回転させたり振り分けたりして、パターンを組み層(フェイス)を作ります。
一層づつパレットに積み付ける間に次の層(フェイス)を作ります。一度に配数(パレットを上から見た個数)を積み付けることができ、また、パレットに積む時間とフェイスを組む時間の重なった(ラップした)時間分短縮することが可能です。
それに比べロボットは、アームの往復動作である為、積む早さがロボットの往復サイクルに依存します。
ロボットのハンドで2個取りしても1往復2個処理程度です。
また、あまり早く振り回しすぎると製品に損傷を与えたり、ハンドから荷物が飛び抜けたりする事故のもとになります。
一般的に ロボットパレタイザ ~1000袋/時 ~800箱/時 (単数個取りの場合)
機械式パレタイザ ~2000袋/時 ~5000箱/時 ※条件によりますが・・・
【違い④ 多品種対応】
機械式パレタイザは、固定設備のコンベヤ上で回したり、寄せたり、振り分けたりしてパターンを作ります。
よって、納入当初決めたパターンを変更する場合などは、改造や部品追加、状況により無理な場合があります。
それに比べ、ロボットパレタイザは、ロボットデータの変更や軽度の変更、改造でパターンを変更できる可能性が高く、取扱製品のマイナーチェンジや客先パレット対応などのに簡単に応じる可能性が高い。
【違い⑤ メンテナンス性】
メンテナンス部品点数は、ロボットの方が少なく、小型部品である。しかし、部品がロボットメーカの特注品であったりブラックボックス化されていたりするため、ロボットメーカー頼りになる傾向があります。
それに比べ、機械式パレタイザは、一般的な部品や製作部品が多いため、工務課などで応急対策が取れるケースも多い。また、部品の互換性より電気部品の生産中止に対する部品供給を同等品で賄える場合も多いが、ロボットは、モデルチェンジ対象になるサイクルも比較的早い。
【違い⑥ 荷姿】
ロボットパレタイザは、荷物を掴み一個一個積みます。その際、外部から規制をかけたり荷揃えをしたりはしません。機械式パレタイザは、フェイスを揃えパレット積み付け時に四方、上方より規制をかけ荷揃え動作を行います。
よって、機械式パレタイザの方が、比較的荷姿が美しいと言われています。
荷姿が美しい利点は、見た目が良い他に荷崩れ防止があります。自動倉庫など高いところに保管する棚の上から荷崩れした製品が降ってくることを考えたら、荷姿の不安は解消したいですよね。また、海外輸送用のコンテナにギリギリイッパイまで荷物を入れたい場合、幅、高さがギューっと押し縮められたパレットでなければ入らない数mmが重要な局面になります。
【違い⑦ 価格】
ロボットパレタイザと機械式パレタイザ。見た目や能力特徴の違いはありませんが、一般的に2~3倍の差でロボット式パレタイザの方が安価です。ただし、処理能力からの換算や機械寿命から計算すると実は、機械式パレタイザの方がトータル安いそれも1/2程度だと言われています。