あなたの物流アドバイザー MONOLIX

株式会社モノリクス

物流のパラドクス 物流改善の果て

コラム
齋藤紀之(さいとう のりゆき)

齋藤紀之(さいとう のりゆき)

代表取締役社長 兼 物流機械アドバイザー
特技:レゴブロックとパワポを使ったアイデア機械の構想
趣味:剣道(息子と毎週通っています)

自動化 搬送 AGV AMR 牽引 運ぶ

物流とは?

物流とは、「物を運ぶこと(=流すこと)」です。
例えば、「ここから⇒あそこへ物を運ぶ」というシンプルな行為を指します。

効率的な物流のために必要なこと:

  • 運ぶ時間は短い方が良い
  • 運ぶ距離は近い方が望ましい
  • 少ない力で動かしたい
  • コスト(お金)はなるべく抑えたい
  • 揺れや衝撃はできるだけ少なくしたい
  • シンプルな装置で運びたい
  • 必要な人手は少ない方が良い
  • 危険な作業は避けたい

物流を取り巻く問題を「見える化」すると…

物流には多くの課題があります。
それらを図で表すことで、全体像が見えてきます。

 

物流を取り巻く問題点

物流改善を進めていくと、無理・ムダが減り、「物流の円」がだんだんと小さくなっていきます。
最終的には、その円が消えてしまう――つまり、
「物流がなくなる」ことが、究極の改善なのです。

言い換えれば、
「動かさずして、物が手元に届く」ような世界です。
まるで禅問答のようですが、そんな未来がすでに現実になりつつあります。

すでに始まっている「物流がない世界」

手紙を送る行為を例にすると、かつては紙を運ぶ必要がありました。
しかし今は、メールで「情報」だけを届けられるようになりました。
物は動かしていないのに、内容は届いています。

3Dプリンターはさらに一歩進みます。
情報を送るだけで、受け取った場所で実際の「物」が形作られます。
これは、まさに「動かずして届ける」仕組みです。

究極の「動」は「静」である

物流の理想は、何も動かさなくても、欲しいものが目の前にある状態です。
それは皮肉にも、「動」の最終形が「静」であることを意味します。
まるで矛盾しているようですが、
私たちは今、その静かな未来に確実に近づいています。

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