今回は、基本中の基本 そもそも「物流」って、何だ?ということにフォーカスします。
目次
■物流を根本から考える
まず一般的に【wikipedia】では、下記引用文。
物的流通(ぶってきりゅうつう、Physical Distribution PD)、略して物流(ぶつりゅう)とは、生産物を生産者から消費者へ引き渡す(空間および時間を克服する)ことである・・・・・・・。途中 輸送・保管・荷役・包装・流通加工 「物流5大機能」・・・・「調達物流」、「販売物流」、「社内物流」、「返品物流」という物流4領域に分けられる。
少々、世界の大きい話で身近なお役立ちに使えないので、もう少し絞りましょう。
例えば、「社内物流」。みなさんの会社の中の物流です。もっと言うと「この辺⇒その辺」に運ぶことです。
原材料をトラックヤードから保管室に運ぶ。保管室から製造室に運ぶ。製造室から生産品を検査室に運ぶ。検査室からトラックヤードへ運ぶ。社内、工場内でもかなり沢山の物流があります。
もっともっと絞り込んでいくと、保管室の中でAの棚からBの棚に移動。CとDを一緒に入れてEに入れるなど保管室の中でも沢山の物流が発生しています。右手で商品を持って左手に持ち替えこっちの箱に入れる。これも物流です。
こう考えると生産活動の殆どが物流なのかもしれませんね。いや、人間の活動の殆どが物流に関係することなのです。
「生活の殆どは物流でできている」
私たちの生活で代表的な作業の一つ食事。これについて物流を洗い出してみましょう。
- 海にいる魚を網で船の上に運びます。
- 船の上で種類分け(ソーティング)します。
- トロ箱に入れます(梱包)。
- 船から降ろします。
- 同じ種類をまとめます(集積)
- トラックでお店に運びます。
- 鮮魚売り場に運びます。
- パックに詰めます(包装)
- お母さんが選びます(ピッキング)
- カゴに入れ他の商品と詰合せます。
- 買って家まで運びます。
- 台所まで運びます。
- 魚だけを取り出します(開梱】
- まな板の上に運びます。
- 皿に盛り、お盆に載せる(個装・パレタイズ)
- テーブルに運ぶ
- 箸で取る(ピックング)
- 口に運ぶ
- 体の内蔵でどんどんと運ばれて行きます。
- 血管が細胞まで栄養として運んで行きます。
①~⑳は、全て物流の要素です。このように物流は、生活をする為の手段のそのものなのです。
みなさんは、これらを無意識に、当たり前のこととして行っています。特に何も考えずに生活の中で物流を手段として使っているのです。
■日本の「道」は、実は物流改善活動。
工場などで物流改善をして、もっと生産性をあげましょう。効率をあげましょう。
など、よく考えられると思いますが、身近な生活の中の物流に対しも、物流改善活動が盛んに行われています。その代表が、日本の「道」がつく教えです。剣道・柔道や茶道・香道・花道などです。
「道」のどこが物流改善なのかと疑問に思うかもしれませんが、「道」という教えこそ、日本人が生んだ物流改善の基礎であり、日本の物流改善がキメ細やかで、繊細である要因とも言えるものです。
例えば、「茶道」。この教えは非常に生活に密着した。物流改善の代表格でしょう。
- 動作(所作)が決まっていること。お茶を飲む(喫茶をする)のにルールが厳格に決まっている。これは作業のルール化、共通化、標準化の面で物流改善の鍵になる考え方です。
- 無駄の排除。茶道の求めているものは、「美」です。無駄の無い機能美・作動美です。徹底的な無駄の排除。物流改善も徹底的な無駄の排除がポイントです。
- 心のゆとりです。効率や作業性から考えると「心のゆとり」は、物流改善では不要に見えますが、これが意外に重要です。
茶道の世界でも所作を体に叩き込む。一つ一つの所作を本当の意味で理解する。自然に出来るようになることで、心のゆとりを保ちながら美を追求するという、クオリティーの高い活動が出来るようになるということです。
ちなみに、工場などで物流改善を進めていくと必ずこれ以上成果が、上がらない壁が出てきます。そんな時に考えるべきことが、「こころのゆとり」です。もう少し、実際に近づけて表現すると、モチベーションを保てるようにする。ということですね。
という事で、茶道から見た物流改善との因果関係
- 作業の標準化
- 無駄の排除
- 心のゆとり
物流を身近に感じられたことで、私たちの作業現場での物流改善をもう一度見直してみては、如何でしょうか?
弊社物流改善事例:https://raku-logi.com/2018/04/360