あなたの物流アドバイザー MONOLIX

株式会社モノリクス

重さ以外の辛い理由

コラム
齋藤紀之(さいとう のりゆき)

齋藤紀之(さいとう のりゆき)

代表取締役社長 兼 物流機械アドバイザー
特技:レゴブロックとパワポを使ったアイデア機械の構想
趣味:剣道(息子と毎週通っています)

同じ重さでも持ち方で変わる

 

荷物を持って運ぶときに「辛い(つらい)」と思うときって、どんな時だろう。

 

■荷物を持つときの「辛い」の種類

 

①重量が重い。

もちろん重いものを持つ時が一番つらい。他の回で述べた、常時運ぶ事が出来る最大の荷重(体重の40%)を超える重さを運ぶことは、労災・腰痛の観点からも避けるべきだと考えます。

 

②長時間持つ

軽いものを持っていても長い時間持ち続けると辛い。だんだんと疲労が蓄積されます。移動しなくても、持ち続ける動作や静止状態をキープすることは、苦痛です。精神的にも・・・

 

③繰り返し持つ

同じ動作を何回も繰り返すことは、体も疲れますが、頭も疲れてきます。同じ筋肉ばかり使っていると体が傾きます。バランスの良い作業姿勢配分が重要です。

 

④悪い姿勢で持つ

同じ重さ、同じ形状でも条件が1つ変わると辛い作業に豹変します。

持つ位置が変わるだけで、辛さは何倍にも大きくなります。例えば、2mの棒、5kgがあるとします。その棒の中心を持ち上げた時両手にかかる力は2.5kgづついとも簡単に持ち上がりますね。

 

この棒にペンキを塗ります。(ペンキの重さはごくわずか)塗っていないところ300mmの部分を持って、場所を移動しましょう。

 

「あれっ・・・」持ち上がらない。

そうです。持ち上がりませんよね。感覚でわかりますよね。棒の端っこを持って持ち上げるのと、棒の真ん中を持って持ち上げるのは、辛さが全然違います。

 

■辛さとサイズの関係

 

パレットと箱では同じ重さでも辛さが違う
パレットと箱では同じ重さでも辛さが違う

 

 

パレット(1100W×1100L×150H)の重さ10kg
ダンボール箱(250W×300L×250H)の重さ10kg
持ち上げて、運びます。

問題①:どちらが、重いでしょうか?

答え:同じ10kgです。

 

問題②:どちらが辛いでしょうか?
答え:パレットが辛いです。

同じ重さなのに、どうしてこんなに辛さが違うのでしょうか?
一般的に物理の教科書に出てくるような話からすると、モーメントがどうのこうの・・・。話が難しいので、テコです。重さの重心から遠いものを持ち上げる力は、重心に近いところで持ち上げるよりも大変だってことです。

でも、2人で持てば楽ですね。パレットは2人以上で持ちましょう。

しかし、人件費は2倍です

 

 

パレットは二人で持ちましょう
パレットは二人で持ちましょう

 

時給¥1200の人2名が2分かけてパレットを運ぶ時の費用は、¥80です。
パレット1枚を供給するための作業費 ¥80

今度は、経営者・管理者が別の意味で辛くなりました。

 

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