荷物を持って運ぶときに「辛い(つらい)」と思うときって、どんな時だろう。
■荷物を持つときの「辛い」の種類
①重量が重い。
もちろん重いものを持つ時が一番つらい。他の回で述べた、常時運ぶ事が出来る最大の荷重(体重の40%)を超える重さを運ぶことは、労災・腰痛の観点からも避けるべきだと考えます。
②長時間持つ
軽いものを持っていても長い時間持ち続けると辛い。だんだんと疲労が蓄積されます。移動しなくても、持ち続ける動作や静止状態をキープすることは、苦痛です。精神的にも・・・
③繰り返し持つ
同じ動作を何回も繰り返すことは、体も疲れますが、頭も疲れてきます。同じ筋肉ばかり使っていると体が傾きます。バランスの良い作業姿勢配分が重要です。
④悪い姿勢で持つ
同じ重さ、同じ形状でも条件が1つ変わると辛い作業に豹変します。
持つ位置が変わるだけで、辛さは何倍にも大きくなります。例えば、2mの棒、5kgがあるとします。その棒の中心を持ち上げた時両手にかかる力は2.5kgづついとも簡単に持ち上がりますね。
この棒にペンキを塗ります。(ペンキの重さはごくわずか)塗っていないところ300mmの部分を持って、場所を移動しましょう。
「あれっ・・・」持ち上がらない。
そうです。持ち上がりませんよね。感覚でわかりますよね。棒の端っこを持って持ち上げるのと、棒の真ん中を持って持ち上げるのは、辛さが全然違います。
■辛さとサイズの関係
パレット(1100W×1100L×150H)の重さ10kg
ダンボール箱(250W×300L×250H)の重さ10kg
持ち上げて、運びます。
問題①:どちらが、重いでしょうか?
答え:同じ10kgです。
問題②:どちらが辛いでしょうか?
答え:パレットが辛いです。
同じ重さなのに、どうしてこんなに辛さが違うのでしょうか?
一般的に物理の教科書に出てくるような話からすると、モーメントがどうのこうの・・・。話が難しいので、テコです。重さの重心から遠いものを持ち上げる力は、重心に近いところで持ち上げるよりも大変だってことです。
でも、2人で持てば楽ですね。パレットは2人以上で持ちましょう。
しかし、人件費は2倍です
時給¥1200の人2名が2分かけてパレットを運ぶ時の費用は、¥80です。
パレット1枚を供給するための作業費 ¥80
今度は、経営者・管理者が別の意味で辛くなりました。