あなたの物流アドバイザー MONOLIX

株式会社モノリクス

WADOMEの開発と技術の向上

製品情報
齋藤紀之(さいとう のりゆき)

齋藤紀之(さいとう のりゆき)

代表取締役社長 兼 物流機械アドバイザー
特技:レゴブロックとパワポを使ったアイデア機械の構想
趣味:剣道(息子と毎週通っています)

ゴムのグリップで車輪を止める

平素よりWADOMEをご愛用頂き誠にありがとうございます

今回はWADOMEの誕生・開発秘話と技術的な特徴を語ってみようと思います。皆様の現場改善、安全対策の更なる気づきになれば幸いです。

目次

WADOME開発と誕生

MONOLIXは、物流のコンベヤや台車、AGVのJIGなどを手掛ける物流機械メーカーです。その営業の傍らお客様の物流改善をサポートする物流機械アドバイザー事業を行っております。

トラックからの荷役作業を改善するためにコンベヤを使ったシステムなどを導入しております。CAS×CONやP-CONNECTなど作業改善を中心に機械の提案を行いました。

その中である大手物流倉庫業の方よりフォークリフトの落下に関するお話を聞きました。

「フォークリフトがトラックバースから落下する!」フォークリフトの落下事故

さすがにそんな大惨事が滅多に有るとは思えませんでした。フォークリフトの事故事例を調べても荷物の落下や人や物との干渉、衝突は事例として多く上がっていますが、トラックバースからの落下に関しての記事は見当たりませんでした。

なぜ報告事例が少ない?落下事故の実態

フォークリフトの落下と聞いて、何もないトラックバースから操作ミス等で落下することを想像しましたが、実際にはトラックに荷物を積もうとして、リーチフォークリフトの前輪が、トラックとバースの間に落下し、戻れなくなってしまう現象であることが分かりました。

トラックの後部にマストを激突させて壊してしまうことが多い為、トラックとフォークリフトの操作ミスによる干渉として取り扱われているようですが、実際の原因は車輪がバースから落ちてしまうことによるものでした。

大事故につながる前輪落下の事例

この前輪を落としてしまう事故の大半は、トラックの破損、フォークリフトの引き戻しで済んでいますが、中には重大な事故につながる事例も含まれているようです。

たまたまトラックのサイドブレーキを掛けていない状態で停車中のトラックに前輪を脱落させたリーチフォークリフトが寄りかかりました。トラックは徐々にトラックバースから離れフォークリフトが、そのまま落ちてしまう直前でトラックのブレキーを掛けて間一髪で助かりましたが、トラックのボディーにもかなりの損害を与えたそうです。

このような事故を聞いてリーチフォークリフトの前輪を落とさない器具の開発を始めました。

崖に近寄らない運用を考えるも・・・

そもそも落ちない為には崖に近づかないこと、と考え当初は、トラックの後にコンベヤを置き、コンベヤからトラックに受け渡す方法を考えました

しかし、トラックの高さがマチマチであること、パレットをトラック内に入れたいことなどからトラックにフォークリフトを近づけない荷役方法など無いことに至りました。

固定取り付けの車輪止め

物流倉庫のトラックバースに鋼材をアンカーボルトで固定したような車輪止めがよく見られます。これはまさしく落下防止の対策です。やはり昔から落下事故は発生しているようです

ただし、この固定の車輪止め。実際には邪魔な時が多いようで、フォークリフトを使わない作業の時に取り外せないことが難点でした。

移動できる車輪止めの開発

車輪止めで一般的なもの、それは自動車の駐車場の車輪止めです。自動車の車輪止めの殆どが、地面に固定されているものです。

地面に固定されていない車輪止めと言えば トラックなどが携行している三角形の車輪止めで、止まっているタイヤにはめ込むタイプです。

動いている車両を停止させる車輪止めはなかなか見当たりませんでした。

しかし、自動車の車輪止めの一部に弱い固定でも車両を停止させることが出来る車輪止めが見つかりました。それは、車輪止めの手前に板が有るものでした。

車両の重さが車両を止める構造

車両の重さ→リーチフォークリフトの自重を使って、ブレーキを掛ける。ブレーキと言えば摩擦。摩擦と言えばゴム。

トラックバースの床と車輪止めの間にゴムを挟めば、リーチフォークリフトを止めることが出来るのではないか!

ここからがフォークリフトのパワーとの戦いの始まりです。

リーチフォークリフトのパワーに勝るWADOME

現在のWADOMEの形に至るまでに、様々な実験と検証を重ねました。

その最大の敵はリーチフォークリフトのパワーです。リーチフォークリフトの重さで、板が反って変形する。リーチフォークリフトのパワーで鋼板が変形する。ゴムと鋼板を貼り付けている素材(接着剤)が剥がれてしまう。床の埃や砂で滑ってしまう。とにかく試行錯誤の連続でした。

WADOMEの技術的特徴

1.リーチフォークリフトの車輪径は小さいです。フレームまでの高さも小さいです。「小径タイヤに適した三角形」

2.三角形の車輪受け部は非常に強い「構造的に強い三角形」

3.小さな径のタイヤでもスムーズにWADOMEに載ることが出来ます「小さな段差の登り口」

4.裏面ゴムの凹凸形状 溝ゴムにより塵や砂などの影響が小さい「ゴムの溝でグリップ」

5.耐摩耗性の高い縦溝ゴムを使い激しいフォークと戦う「縦溝ゴムの戦い」

6.ゴムと鋼板の接着は非常に困難「鉄とゴムの融合」

これらの特徴は、WADOME開発の初期から試行錯誤の末行き着いたMONOLIXのノウハウです。

リーチフォークリフトのパワーに勝つ!

これからも更なる技術革新の戦いは続きます。

 

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