あなたの物流アドバイザー MONOLIX

株式会社モノリクス

物流における作業内容と人数のバランス

コラム
齋藤紀之(さいとう のりゆき)

齋藤紀之(さいとう のりゆき)

代表取締役社長 兼 物流機械アドバイザー
特技:レゴブロックとパワポを使ったアイデア機械の構想
趣味:剣道(息子と毎週通っています)

 

作業に対する最適な人数って、どのようにして割り出すのだろう?

 

  • 少人数で行えば安く出来るのでは?
  • 安い人件費で行えば人を増やせる?
  • 時間に余裕があれば安くなる?

 

全て正しそうですが、安易に行うと痛い目に合いそうですね。

 

目次

■作業に掛けることが出来る費用を試算する

 

 

まず、少ない人数で沢山の仕事を行うと疲労が蓄積し、能率が逆に下がります。
次に、人件費はその地域の相場と法律があるので、大きく変えることが出来ません。

 

あと、人を使う作業は、時間=お金です。余裕の時間は、不要です。
正解は、その作業に掛けることが出来る費用はいくらか?を調べることです。

 

その作業をする事で得られる対価が作業費用よりも安い場合は、その作業を断る方がよいことになります。
その作業を請け負った場合、各工程で作業を振り分けます。振り分けたその作業工程で、必要な諸経費を算出します。
算出した経費の合計は請負額と初めは同額と、なります。

 

作業内容と請負額
作業内容と請負額

 

 

ちなみに最初のうちは、精度の高い目測ができないので、まずは、割り切って人数を決め、周辺地域の時給を鑑み、人海戦術でライン化を過度に進めず設定してください。

 

 

■作業性や効率化を試みて、物流改善を行い利益を確保できる体制を目指す。

 

 

算出した工程別費用を基に雇うことができる人数が決まります。
その人数で仕事を行ったときが、利益0の状態です。物流は全て損失です。
よってここから作業性や効率化を試みて、物流改善を行います。

 

それにより得られた結果から作業に必要な作業量、負担が割り出され最終的に必要な人数が確定します。
物流改善とは、長い長いトライ&エラーの繰り返しからムダが省かれ、洗練されて、利益を確保できる体制になるものです。

 

この手順を踏まずに、最初から効率化を求めコスト意識を高め、コトを進めると、作業に対する不満や労災の原因になり、必要な人数が揃わず、逆に苦労を抱え込むことになるので、注意が必要です。

人数、作業環境、時給、仕事量、作業時間など、バランスの良い改善が最も望まれます。

 

■バランスの良い人数と作業内容と賃金で作業者のモチベーションを最大限に高める

 

機械は、電源や燃料を入れ、ボタンを押すとプログラム通り動き、動作と結果を期待通りに提供してくれます。
人間には、ボタンと動作の間にモチベーションというトリガー(引き金)があります。モチベーションは、人それぞれ異なったトリガーを持っています。機械に比べ面倒な人間ですが、モチベーション如何によっては、機械以上の成果をもたらしてくれます。

 

ここでいう、バランスの良い人数と作業内容とお金は、モチベーションを最大限に高めるための要素だと考えます。
作業者さんのモチベーショントリガーをじっくり観察してみましょう。

 

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