今回は、トラックと鉄道について物流の視点から色々考えてみたいと思います。
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■日本の物流・流通における勝者トラック
今の日本の物流・流通における勝者(シェアーや流通量)は、何と言ってもトラックでしょうね。なんと90%以上をトラックが運んでいるそうです。鉄道は輸送総重量(トンベース)で1%程度というデータもあります。
確かに普通に暮らしていてもトラックが多いし、生産地や工場から倉庫やお店、私たちの家の辺りまでトラックが走っているから当然かもしれませんね。
でも、トンキロベースっていう見方で考えるとちょっと数字が変わって、自動車(トラック)が約6割、内航海運が約3割であるのに対し、鉄道も約4%になります。
トンキロベースっていうのは重さと長さ(ton×kg)。「何トンの重さを何キロ走ったか」という指標です。トラックで運ぶときは、だいたい100km以下。それに対して鉄道や船舶は長~い距離をたくさん載せて運ぶ。だけど路線本数が少ないって感じですね。南北に長~い日本列島、北海道から九州まで沢山積んで長く走るジャンルを担っているようですね。
ちなみに、私たちが鉄道輸送にあまり馴染みが無い理由の一つに、鉄道輸送で運んでいる荷物も最初と最後はトラックが運んでいることが挙げられるでしょう。鉄道貨物の駅までトラックで運び、鉄道貨物の駅からトラックで運び出す。鉄道で運んだ荷物も私たちの街の中はトラックが運んでいるのです。裏方の力持ちって感じで、頭が下がりますね・・・。
昨今、ニュースなどでトラックドライバーの人手不足や事故、管理の難しさが取り上げられますね。確かにトラックドライバーは大変だよ。トラックを運転するのも当然大変ですが、トラックに荷物を積み込む作業や渋滞による時間管理や精神的なものも大きな負担だと思います。
- 荷物を集荷に行ったら出荷荷主側のドタバタでなかなか荷物が揃わない。イライラ・・・
- バラバラに置かれた荷物を「後はよろしくね~」って、トラックに積み込む作業。辛い作
- さあ、出発!遅れた分を取り戻して夜中走るぞ~!!
- 朝、付近まで着ましたが、朝の入荷で大渋滞・・・イライラ・・・
- 「荷物遅れているぞ~」って急いで荷下ろし。 急げ急げ!!
- ドライバー不足しているんだ。次の荷受に急げー
大変ですね・・・。こりゃ、事故も起こるよ。改善したいですね。
■10トン トラック50~70台分の荷物を一度に運べる鉄道貨物
ところで、鉄道貨物は最大26両編成で標準タイプのコンテナ(5トン積み)130個を積載することができ、1編成あたり650トンの荷物を一度に輸送することが可能です。10tonトラック50~70台分の荷物を一度に運びます。それも、列車を走らせるのに乗務員は1人だけ。走行距離や時間もダイヤでキッチリ決められて、安全に正確に70台分を1人で運びます。
また、鉄道の燃費って凄く良いんですよ~トラックのおよそ1/8。CO2削減効果大ですね。
・トラックから貨物鉄道や船舶へ輸送手段を転換「モーダルシフト」
こんなに良いこと尽くめの鉄道貨物輸送。段々と世の中から見直されてきています。それを表す言葉を「モーダルシフト」と言います。トラックから貨物鉄道や船舶へ輸送手段を転換することをいいます。
それによりトラックの負担を減らし各輸送手段を有効活用して、ドライバー不足問題、CO2削減、更なる物流の効率化を図って行って欲しいものです。
鉄道貨物輸送は、その中核輸送だけでは大きな効果が生まれません。前後のトラックによるアクセスやコンテナの流通など様々な問題を解決することで身近な利用しやすい輸送手段に生まれ変わるのです。モーダルシフトが進むことで日本の物流はより発展するでしょう。
ちなみに、私たち楽する物流機械研究所/MONOLIXでは、鉄道コンテナへの荷物の積み込み効率を向上させる。トラックへの荷物の積み込み作業の軽減などを研究・開発しています。是非、荷役作用に関する悩みがありましたら、私たちにご連絡ください。
あなたの現場を一緒に改善していきましょう。
MONOLIX事例一覧:https://raku-logi.com/category/performance/
今回は以上です。